「自分でやった方が早い」は本当に早い?一人と組織で変わる仕事の考え方

こんにちは!福岡県久留米市の公認会計士・税理士、豊岡春樹です!

仕事をしていると、「人に頼むくらいなら自分でやった方が早い」と考えたことがある方は少なくないのではないでしょうか。

実際、私自身も組織化されたところで働いた経験がありますので、若い時はこの考え方でした・・

ただ、現在の考え方は異なってきていますので、
この記事では、「自分でやった方が早い」という考え方が、働き方によって正解にも落とし穴にもなるという点を整理してみます。

一人で働くなら「自分で全部やる」は合理的

まず前提として、私のような一人税理士で、一人で事業を回している場合、この考え方はむしろ自然で合理的ですよね。

そもそも任せる相手がいないのですから、記帳、申告書の作成・チェックも、顧問先とのやり取りも、すべて自分でやる必要があります。

自分の手を動かした分だけ品質を自分でコントロールでき、判断も早い。

一人で働くスタイルにおいては、「自分でやる」ことがそのまま強みになります。

私も自分の事務所の業務については、基本的にすべて自分で対応しています。

この働き方を選んでいる以上、それ自体に問題はないと考えています。

組織で働くなら、この考え方は危険信号かもしれません

一方で、複数人のスタッフがいる事務所や会社など、組織化された環境で「自分でやった方が早い」を続けるのは、少し立ち止まって考えたいところです。

主な理由は次の2つです。

後輩が育たない

仕事を任せなければ、後輩は経験を積む機会を失います。

最初は誰でも時間がかかりますし、ミスもします。

それでも一度任せて、フィードバックして、また任せる。

この繰り返しで人は成長していくものだと考えています。

「自分でやった方が早い」と仕事を巻き取り続けると、目の前の1件は早く終わるかもしれませんが、チームとしての処理能力はいつまでも上がらないままです。

結果的に自分の首を絞めることになる

任せられない人のところには、仕事がどんどん集中していきます。

周りが育っていないので、繁忙期になっても誰にも振れず、自分だけが夜遅くまで残る。

そんな状態になってしまうと、体力的にも精神的にも余裕がなくなっていきます。

短期的には「早い」選択だったはずが、長期的には自分を追い込む選択になっている。

これが「自分でやった方が早い」の一番の落とし穴だと思います。

リーダーになったとき、後輩にきつく当たってしまう可能性も

もうひとつ、見落とされがちなリスクがあります。

それは、この考え方のままリーダーになった場合の話です。

「全部自分でできる」ことを基準に仕事をしてきた人は、無意識のうちに、その基準を後輩にも当てはめてしまうことがあります。

「なぜこれくらいできないのか」「自分が新人の頃はもっとやっていた」という気持ちが、態度や言葉に表れてしまうのです。

本人に悪気はなくても、後輩からすれば萎縮する原因になりますし、質問や相談がしづらい雰囲気ができてしまうと、ミスの報告も遅れがちになります。

結果として、チーム全体のパフォーマンスが下がってしまうこともあります。

リーダーの仕事は「自分が一番できること」を証明することではなく、「チームとして成果を出せる状態」をつくることだと考えています。

この切り替えができるかどうかが、プレーヤーからリーダーになるうえでの大きな分かれ道だと感じます。

「任せる」は遠回りに見えて、いちばんの近道

では、組織で働く場合はどうすればよいのでしょうか。

ポイントは、任せることを「時間のロス」ではなく「投資」と捉えることだと思います。

とはいえ、ただ仕事を丸投げするだけでは、任された側も困ってしまいます。

任せるときに大切なのは、下記のような事項を伝えることだと考えています。

  • その作業を行う背景や目的(なぜこの仕事が必要なのか、誰のための作業なのか)
  • 外してはいけないポイント(ここだけは押さえてほしいという勘所や注意点)

この2つさえ共有できていれば、細かいやり方まで指示する必要はなく、あとは任せた相手の裁量でやってもらう(任せる相手の能力や考え方も人それぞれなので、ここが難しいのですが・・)。

進め方に多少の違いがあっても、目的とポイントがずれていなければ、仕事としては十分に成立します。

そのうえで、完璧を求めず、まずは7割の出来を受け入れる。

足りない部分はミスとして責めるのではなく、フィードバックを通じて「次はどうすればよいか」を一緒に考えていく。

この繰り返しが、人を育てるうえで一番大事なのかなと考えています。

こうした積み重ねの先に、「自分がいなくても回るチーム」ができあがります。

それは自分の仕事を奪われることではなく、自分がより重要な仕事に集中できる環境が手に入るということです。

(ご参考)リーダーの考え方を学べるおすすめの音声メディア

最後に、組織で働くうえでの考え方を学ぶのにぴったりの音声メディアをひとつご紹介します。

Voicyで配信されている、グロービス経営大学院の「ちょっと差がつくビジネスサプリ」というチャンネルです。

グロービス経営大学院「ちょっと差がつくビジネスサプリ」(Voicy)

日本最大級のビジネススクールであるグロービス経営大学院が配信しているチャンネルで、組織におけるリーダーの考え方や、ビジネスパーソンとして押さえておきたいスキル・キーワードなどを、1日5分ほどで気軽に学ぶことができます。

しかもこれが無料で聴けるんです。

私も聴いていて「本当にこの内容が無料でいいのだろうか」と思うことがよくあります。

通勤の時間や散歩の時間、ちょっとしたすき間時間に耳から学べるので、忙しい方にこそおすすめです。

今回の記事のテーマである「任せ方」や「リーダーシップ」に関心を持たれた方は、ぜひ一度聴いてみてください。

まとめ

「自分でやった方が早い」という考え方は、一人で働くなら合理的な選択ですが、組織で働く場合には、後輩の成長機会を奪い、自分自身を追い込み、リーダーになったときには人間関係の摩擦を生む原因にもなり得ます。

大切なのは、自分の働き方や立場に合わせて、考え方を切り替えることだと考えています。

もし今、「任せられない」「仕事が自分に集中している」と感じている方がいれば、まずは小さな仕事をひとつ、誰かに任せてみることから始めてみてはいかがでしょうか。

遠回りに見えるその一歩が、きっと数年後の自分を助けてくれるはずです。

投稿者プロフィール

豊岡 春樹
豊岡 春樹
久留米市の若手公認会計士・税理士です!
freee会計を活用し、中小法人・スモールビジネスの記帳や確定申告の負担を軽減し、本業に専念できる環境づくりを支援しています。
創作活動に励む漫画家・同人作家の方からのご相談も多数いただいており、柔軟かつ丁寧な対応を心がけています。