住宅ローン控除(減税)の基礎ついて:基本的なポイントを解説
こんにちは。福岡県久留米市の公認会計士・税理士 豊岡春樹です。
はじめに
マイホームの購入は多くの人にとって人生最大の買い物の一つです。
その際に活用できるのが住宅ローン控除制度です。
この記事では、住宅ローン控除の概要や適用要件、控除額の計算方法などについて、解説します。
記事の内容をマインドマップにてまとめたもの
住宅ローン控除は複雑ですので、整理するためにもマインドマップにてまとめました。
適宜ご参照いただければ幸いです。
住宅ローン控除とは?
住宅ローン控除は、
個人が住宅ローンを利用してマイホームを新築、購入または増改築した場合に、
一定の要件を満たせば所得税から控除が受けられる制度です。
この記事では令和6年入居を前提として解説しています。
住宅ローン控除は住宅の性能・種類によって控除できる金額が異なり、大きく分けて二つの種類に分けることができます。
①認定住宅等(長期優良住宅・低炭素住宅、ZEH水準省エネ住宅、省エネ基準適合住宅)
②その他の住宅
もちろん①の認定住宅等の方が控除できる金額が大きいです。
環境に良い住宅のほうが優遇されているという形になります。
適用要件
住宅ローン控除を受けるには、いくつかの要件を満たす必要があります。
<共通要件>
- 住宅の新築等から6か月以内に居住を開始し、その後も12月31日まで引き続き居住していること
- 床面積が50平方メートル以上であり、床面積の1/2以上を自己の居住の用に供していること(※)
- 控除を受ける年の合計所得金額が2,000万円以下であること
- 10年以上の分割返済の住宅ローンがあること
- 入居年、入居年の前2年及び後3年以内に一定の譲渡所得の特例を受けていないこと
- 住宅の取得が親族等からではないこと
- 贈与による取得ではないこと
- 借入金が親族や知人からのものではないこと
(※)特例として、特例居住用家屋または特例認定住宅等の場合は、床面積が40平方メートル以上50平方メートル未満でも適用可能です。
ただし、この場合は合計所得金額が1,000万円以下という条件があります。
<認定住宅等に該当する場合>
<共通要件> + 下記のいずれかに該当する必要があります。
・認定長期優良住宅
・低炭素住宅
・ZEH水準省エネ住宅
・省エネ基準適合住宅
<その他の住宅に該当する場合>
新築と既存住宅で異なります。
・新築 ⇨ 次のいずれかを満たすこと。
イ 令和5年12月31日までに建築確認を受けているものであること。
ロ 令和6年6月30日までに建築されたものであること。
2025年4月以降の新築は原則として省エネ基準を満たす必要があることから、住宅ローン控除もそれに合わせた規制となっているよ!
・既存住宅 ⇨ 新耐震基準に適合するもの(昭和57年1月1日以降に建築されたもの等)
控除額の計算方法
控除額は、以下の2つの金額のうち少ない方に0.7%を乗じた金額となります:
- 住宅ローンの年末残高 × 連帯債務割合 × 居住用割合
- 住宅等の取得対価の額(※) × 住宅等の持分 × 居住用割合
※取得対価の額は、補助金や住宅エコポイント等を控除した後の金額だよ!
ただし、住宅の種類や居住年によって控除期間や控除額が異なってきます。
詳細は下記画像をご覧ください。
国土交通省⇨https://www.mlit.go.jp/report/press/content/001714809.pdf
手続きの流れ
- 控除を受ける最初の年分は、確定申告書に必要書類を添付して提出します。
- 2年目以降は、確定申告書に計算明細書と年末残高証明書を添付します。
- 給与所得者の場合は、年末調整で控除を受けることができます。
提出書類
住宅ローン控除を受けるためには、以下の書類を提出する必要があります。
住宅の種類や状況によって、必要な書類が異なる場合がありますので注意しましょう。
<共通して必要な書類>
- 住宅借入金等特別控除額の計算明細書
- 住宅取得資金に係る借入金の年末残高等証明書
- 家屋の登記事項証明書(計算明細書に不動産番号を記入した場合は添付を省略できる)
- 家屋の工事請負契約書または売買契約書の写し
<認定住宅等の場合に追加で必要な書類>
認定住宅等(認定長期優良住宅、低炭素建築物、特定エネルギー消費性能向上住宅、エネルギー消費性能向上住宅)の場合は、以下の書類も必要です:
・認定通知書の写し
・住宅性能証明書等の写し 等
<その他の新築住宅の場合(居住年が令和6年または令和7年)に追加で必要な書類>
一般の新築住宅で、認定住宅等の要件を満たしていない場合は、以下のいずれかの書類も必要です:
・建築確認済証の写し(令和5年12月31日以前に建築確認を受けたことを証するものに限る)
・家屋の登記事項証明書(令和6年6月30日以前に建築されたことを証するものに限る)
まとめ
住宅ローン控除は、マイホーム購入者にとって大きな助けとなる制度です。
ただし、適用要件や計算方法が複雑なため、専門家に相談しながら慎重に検討することをおすすめします。
また、制度の内容は毎年変更されている状況であるため、最新の情報を確認することも重要です。
住宅ローン控除複雑すぎだよよよよ!!
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